京都の樂美術館は、400年以上の歴史を持つ窯元の家に隣接している施設です。窯元の歴史は古く、桃山時代にまで遡ることができます。京都の法華寺再建のための勧進帳記録には、2代目の名が残されています。
南猪熊町は利休の屋敷があったエリアと考えられます。焼き物づくりの伝統と技術は、桃山時代から現在まで代々継承されています。技術のルーツは中国の明時代の焼き物です。古文書には技術を伝えた人物の名が記されています。
450年前と全く同じ方法で焼かれる作品は、貴重な文化財のひとつです。伝統を守るのは大変なことで、時代によって伝統の見方は異なります。
15代目は昭和48年に大学を卒業してイタリアに留学し、昭和56年に十五代目を襲名しています。伝統を大切にしつつ、モダンな世界も表現されているのが特徴です。
平成19年には滋賀県守山市に新しい施設が新設されます。
美術館の設立は1978年で、歴代の陶芸作品や茶道に関係する美術品、関係資料などが収蔵されています。千利休が理想の茶の湯を目指して作らせた茶碗は、茶の湯文化を代表するシンボルのひとつです。
樂美術館は茶の湯文化の深さを知ることができる貴重な個人美術館で、秘蔵の名品が揃っています。次代の人々の参考になるように残されたもので、所蔵品は手にとって鑑賞することができます。
ガラスケースの外からでは茶碗の本当の魅力は伝わらないと考えた、作り手の心意気が伝わります。
美術館では毎年様々なイベントが開催されています。特別鑑賞茶会は、収蔵品を使って催される茶会です。300年の歴史を持つ茶碗が使われる茶会は、15代目が亭主を務め作品についての詳しい解説を聞くことができます。
親子や孫が一緒に楽しめる茶会もあります。茶碗の手触りを体験でき、美味しいお菓子も味わうことができます。
親子で見る展覧会は館長が解説をしてくれるワークショップで、実際に道具を手にして楽しめます。
1年に4回開催される企画展も好評を博しています。新春展は新春にちなんだ華やかな展覧会で、茶道の工芸美術を楽しめます。春期特別展では、歴代の代表作が一堂に並びます。
夏期展は様々な切り口から焼き物の世界を探求できる展示会で、一部の展示物は手で触れることもできます。
秋期特別展は、焼き物と茶道美術を中心にした特別企画展です。
開館時間は午前10から午後4時半までですが、入管は午後4時までになります。
入館料は展示会によって料金が異なります。