京都には数多くの歴史的建築物が残っていますが、その中でも鴨川にかかっている四条大橋のたもとには、三つの有名近代建築があります。一つは南西に、二つ目は北東にあり、そして南東にあるものが最古の南座と呼ばれるものです。南座の概要としては、芝居小屋として江戸時代の当初から続いてきた文化的建築です。現在の建物は昭和4年に建てられ、和風の帯冠様式で、桃山風意匠が一つの特徴となっています。総客席数は何と1500という大劇場であり、松竹の本拠地にもなっています。老朽化となり平成2年から3年にかけて改修が行われましたが、外観は当時に近い姿に復元されていると言えるでしょう。この南座について、様々な特徴などについてご紹介致します。
南座は2019年11月にリニューアルとなりましたが、特徴的な外観や内装などを保存修復した上で改修を行ったことから、一見すると従来と同じように見えることでしょう。しかし建物の内部は客席が変更されていたり、バリアフリーに対応しているなど、最新技術の設備や演出などを取り入れたりと、様変わりしました。場内では客席が10席が増やされて、従来のシートよりもゆったりと座れるようなタイプに変更がなされています。これによりより快適に観劇ができるようになったと言えるでしょう。新たな趣向としては、観客席を具体化することが可能となりました。一階の客席を全て取り外した上で舞台と同じ高さに床を設けられるような仕組みになっています。1階のロビーでは革張りのソファーが置かれ、座り心地もよく落ち着くと評判です。東側にはエレベーターが新設され、バリアフリーへの対応もなされています。エレベーターの天井は、建物の至る所で見られるおりものと同じものが使われています。風格のある趣向を感じられることでしょう。押しボタンの大きさにはかなりびっくりするものです。そしてリニューアルに合わせて、和菓子の老舗とらやと日本料理の老舗なだ万茶寮が新たにオープンしています。一階の売店の奥には虎屋があり、ここは喫茶店になっています。感激の前後にも一服することができるでしょう。2階のなだ万茶寮では季節の会席料理を味わうことができ、お弁当も3種類販売されています。感激しながらお弁当を味わうのもまた楽しいものです。劇場周辺には八坂神社がありますが、四条通りを南座から八坂神社まで歌舞伎役者等によるお練りが行われることもあります。近くに来た時には是非とも立ち寄ってみるとよいでしょう。